大石山(旧東蒲原郡鹿瀬町)

 

平成29年3月26日

 

 

 

新潟県の川内山塊や毛猛山塊、海谷山塊など秘境と言われ続け全国的に知名度が高いようなところはここ近年で入山者が非常に多くなっているのではないでしょうか。

 

特に人気の高い川内山塊は、いろいろ登ってみて自分なりに発掘をしてみたいと思って以前に何度か訪れてみたのですがあまりの人の多さにがっかりさせられ、あれ以来訪れていません。

 

それに比べて無名な奥三面や女川の山々、葡萄山地といったところは人と会うことはまずないですし、それに何よりもあの原始的な雰囲気と厳しさは自然味が溢れ、それでいて北国の山の持つ安堵感はどこか懐かしさがあり、いくら通っても飽きることがありません。

 

 

 

そんな中で私は今年に入って川内や毛猛、海谷はもちろん、それ以外にも人知れず聳える多くの地域の山々に足を運んでみようといったことを考えておりました。

 

ところが今年は春になっても気候的になかなか安定しないので、比較的手軽に入れる東蒲原の峰々index.htmlに足が向きがちになっています。

 

 

 

この日も本当は海谷山塊の山を予定しておりましたが、午後から天気が崩れるという理由で断念し、東蒲原の大石山というところに登るため、荒沢集落へと車を走らせました。

 

 

 

今回、訪れた大石山は2週間ほど前に小荒集落から高井峠を訪れた時に大石山を周回して小荒集落に戻ろうと目論んだのですが、あまりの腐れ雪で足腰が疲れるという理由から周回を断念した山です。

 

あれからいろいろ考えましたが小荒集落からではなく荒川集落から周回する方が歩きやすくて良いのではないかと考えておりました。

 

そこで天気の良い午前中に荒沢集落からとりあえず大石山を往復して来ようと思い、向かうことにしました。

 

 

 

大石山は荒沢集落からの往復だとざっと見積もっても半日かからないだろうといった目論見で、さらに新発田市周辺は夕方までもちそうな予報ということもあって朝はゆっくりと家を出ました。

 

登山者の皆さんは驚くほど朝が早いのでしが、私の場合は基本的にせっかくの休日に時間的に大丈夫であればわざわざ早起きして行動することもないだろうといった考えでいます、それに夏ならいざ知らず今の時期の早朝は寒いです・・・、なんてことを書くといろいろな人に怒られそうですがねえ・・・。

 

一応、これでも山に入る時はいつも時間に随分と余裕を持っているつもりでして・・・。

 

元来、怠け者の私は朝が苦手でありまして、大変にお恥ずかしい話を暴露いたしますと、高校生の時に毎日朝寝坊をして、遅刻の連続で停学処分になったということがあり、社会人になってからも新入社員の身分で毎日遅刻をしていたところ、社長に呼び出され厳重注意をされたのですが、それにもかかわらず翌日もまた遅刻をするというような非常にダメな毎日を過ごしていた次第でありまして、そんな私が朝早くから起きて山に向かえるはずなどありません。

 

無理な行動をすれば楽しいはずの山登りも、楽しくなくなり長続きがしなくなるってものです・・・、なんて、言い訳です。

 

 

 

さて大石山へは地図で見たところ細かい尾根が多く派生しており、その中のひとつ、荒沢集落の民家の裏山から尾根に取付くのが一番手っ取り早いようですが、それでは人様の家の庭を通ることになってしまうので、集落から少し手前の尾根から入山することにしました。

 

ちょうど取り付こうと思った尾根の下が広く除雪がされていて、そこに車を停めて、大石山に向かって登りました。

 

尾根の最初のうちは痩せ気味で少し藪も出ていて登りにくかったです。

 

しばらく登ると広い伐採地となり山肌が露わになったところに出ます。

 

このエリアは林業関係の人たちの作業場となっているようで、木々が綺麗に切り取られ丸裸になった斜面が眼下に広がっています。

 

尾根上まで伐採されているので木が無い分見晴らしが良く、南会津の山々や御神楽岳とその奥に広がる川内山塊が見通せます。

 

林業作業場を過ぎるとブナの林となり尾根も広がり、安堵感のある山歩きとなります。

 

広くてなだらかな斜面にブナの美林はとても気持ち良く歩くことが出来ます。

 

樹林帯の中なので景色は見えなくなりますが、それでも飯豊方面が木々の間から見え隠れするようになり、それほど苦にならない程度の小さな登り下りを繰り返し、最後に山頂と勘違いするニセ大石山に騙されて、やがて少し広めの山頂に到着することができました。

 

ここから高井峠はまだまだ先ですが、心休まるブナの美林はこのまま高井峠まで続いているように見えました。

 

2週間ほど前に小荒集落から高井峠を訪れた時は痩せ尾根の連続で、蔦混りの針葉樹林帯だったのにこちらの荒沢集落側は広くて歩きやすいブナの尾根となっていて、ちょっと場所が変わっただけで随分と植生が変わるものだと思いながらブナに囲まれた山頂で休憩し、ひと時の幸福を感じておりました。

 

あまりの静けさと綺麗なブナの木々、安心感に包まれた尾根筋を眺め、このまま予定を変更して高井峠まで歩こうか迷いましたが、天気予報通り厚い雲が立ち込めてきたし、家で待っている山の神と昼から出かける約束をしていたので、ここは無理せず往路を下山してきました。

 

  

 

荒沢集落から大石山までは非常に良いところでした、おそらく大石山から高井峠へと通じる尾根も非常に良いところのように思います、ぜひここはいつか歩いてみたいと思い、山頂をあとにしました。

 

 

 

コースタイム

 

荒沢集落 2時間 山頂 1時間40分 荒沢集落