道具の話6+真冬の飯豊の後日談
空を見上げれば今日も相変わらず鉛色の雲に覆われて、冷たい風が吹いて雪が舞い降りております。
寒空を見上げては春を待ち遠しく思う今日この頃です。
二王子岳の奥に聳える飯豊連峰の姿はなかなか見ることができず、去年の暮れに訪れたあの飯豊の峰々はまるで遠い世界だったように思えてきます。
胸までのラッセルと激闘し、激しい風や寒さに耐えてようやく辿り着いたところはそうそう簡単には見ることができない異次元の世界でした。
それにしてもあれほどの激闘だったのに、なぜか山に入るとほとんど食べなくても大丈夫なことには自分自身でも驚きました。
荷上げ品が見つからないことを想定して、最悪でも毎日3回は食べられるような食料配分を考えて食料を持ち上りました。
カップラーメンリフィルを直前にザックに詰めたことは真冬の飯豊の日記の中でも書きましたが、例えば朝食は柿の種小袋ひとつ、昼食はソーセージ1本、夕食はカップラーメンリフィルなどと言った具合での食料の配分でありました。
結果的に十文字池の荷上げ品が見つかったので、ほんの少しですが贅沢ができたわけですが・・・。
結局下山した時点でも食料は少し余っていたのですから我ながら自分の体はどうなっているものなのか心配になるほどでした。
とにもかくにもそんな激闘を制して無事に帰ることができ、今回はとても有意義で実りある山行になりました。
しかし思った通り下山してからが大変でした。
真冬の飯豊から無事に下山することができ安心してしまったのか、しばらくの間は放心状態になっていたように思います。
確かに満足感や達成感もあったと思いますが、それ以上に虚脱感、さらに目標を失ってしまった時に似た寂しさなどがごちゃごちゃと入り混じっていたように思います。
下山後は手の指先、それから耳、鼻、頬がヒリヒリと痛み、さらに目も少し腫れぼったくなり、常に軽く充血しておりました。
これらの症状は今までも厳冬期の山行後に何度か出たことがありましたが、これは軽い凍傷なのかあるいは凍傷にかかる一歩手前くらいのものなのかもしれません。
また身体全体が寒く感じるようにもなっていて、少しですが辛い日常生活が数日間続きました。
この寒く感じる症状も2年前の正月の飯豊から下山後に一週間ほど続いたことがありました。
あの時は除雪に明け暮れ3日3晩眠ることができず、精も根も尽き果て命からがらようやく山から逃げてきた山行でした。
おそらく軽い低体温症にでもかかっていたのではないかと思っています。
今回、これらすべての症状は3日間程度で治まりましたが何よりも一番酷かったのは、せっかく今年の正月は久しぶりに下界でゆっくり過ごせると思ったのに1月1日に突然胃が痛み始め、それが4日~5日続き、結局のところ正月は寝た切りで過ごすことになってしまいました。
おそらく目標を達成したということで気が抜けたということもあったでしょうし、疲れもあったでしょう、あまり食べずに大激闘を繰り返した体は相当に無理をしていたのかもしれません、医者には胃腸炎と診断されました。
さて、道具の話に移ります。
今年の秋はカメムシが非常に少ない年で、少雪が期待されました。
しかし12月から大雪が降り始め、非常に寒い冬となりました。
カメムシについてはもう十年以上も前から統計をとっておりましたが、その年の雪の量の予測としてはかなり正確な情報でありました。
それなのにどうしたことか、今年のカメムシ予想はまったく外れてしまったようです。
1月に入ってもなかなか天気は安定せず、体調不良と言うこともあって出かける機会に恵まれず、ここは晴耕雨読を楽しもうと思い大昔に買ったコンロ類を整備することにしました。
ケロシン(灯油)コンロやガソリンコンロを奥から引っ張り出して、古い物を眺めていると登山道具オタクの心に火が付きます。
パッキン類がダメになっていたものもありましたし、錆びてボロボロになっていたものもありました。
古いものとはいえ飾り物にしておくわけにはいきません。
一生懸命に磨き、部品を探しては修理し、そして点火をするとコンロはよみがえる。
そんな再生されていくコンロたちを見ているととても嬉しくなりました。
そして再び私と共に山旅へと出かけられることが可能となりました。
液体燃料コンロの愛好家は非常に多くおられるようで、ネットでも多くのブログ等を目にします。
確かに現在主流となっているガスコンロに比べたら大きくて重くて使いにくいものではありますが、それだけでは語れない何かがあるのだろうと思います。
私自身はかれこれ20年以上前にガスコンロに主流が移ろうとしているちょうどそのころ運動具店では液体燃料コンロが投げ売り価格で販売されるようになり、それらを見つけては購入して当時は何度か使ったもののやはりどうしても使いやすいガスコンロばかり山に持って行くようになりがちで、やがて液体燃料コンロは家の奥へと追いやってろくに手入れもせずにしまいっぱなしのままという状態でした。
ガソリンコンロの代表格でもあるホエーブスやオプティマス、ケロシンコンロではマナスルなど、さらにはコンロの先駆者であるプリムスや軍事用コンロから発展したエンダースなどそれぞれ形は非常に個性的でとても格好良いと思い、改めてその味わい深さにとても魅了されています。
今ではすっかり姿を見なくなってしまいましたが、たまには山で使いたいと思っているところです。
ここ数年コンロに限らず登山道具はめまぐるしく発展してきています。
今となっては軽量、コンパクトの時代となっていますが、軽量化されれば強度が落ちる、あるいは使い勝手が悪くなるなどと言った弊害は当然出てくるものです。
コンロに関して確かにガスコンロは非常に良い物だと思います、しかし歴史ある登山道具、古いものも味わいがあって良い物だと整備しながらつくづく感じているところです。
去年、正月の飯豊から下山した後に自分の力の無さにようやく気が付いた私は偉そうにホームページで文章なんて書いている場合ではないと自覚をすることができました。
あれ以来大幅に掲載する文章を減らしたわけですが今回の飯豊ではたまたまではありますが曲がりなりにもとりあえず目標を達成した訳ですから道具の話など久しぶりに書いてもいいのではと思った次第であります。
いや、だからと言って決して有頂天になっているつもりでもましてやうぬぼれたり天狗になるつもりはありません、おごりは大敵だと思っております。
自分は相変わらず力が無く、今回の成功も運よく天気に恵まれただけのことだったということはしっかりと自覚しなければならないと思っております。
ただ自分自身が今まで厳冬期の飯豊山行などを代表とする特殊な山行のなかで自分なりでしかありませんが苦労し研究してきたこと、そして道具についてもいろいろ調べてきたことを書いてみたいと思いこの道具の話は始まりました。
そんな中、厳冬期の飯豊での雪にテントが押し潰されそうになる恐怖や強風でポールが折れ破壊されそうになったテントを昼夜必死で押さえ続けていたことなど、あるいは大雨で浸水したことなどもあり、テントについての強度、耐久性、防水性、重量などの研究に力を入れてきた次第でありました。
そんなことから本当はテントの話を書くつもりでしたがコンロをいじっているうちにそちらの方の話を書きたくなったのでテントの話は次回ということで今回は楽しくコンロの話を書くことに決まりました。
冒頭では液体燃料のコンロの話を少し書きましたが、それはそれでとても楽しいことですが書き始めると尽きなくなってしまいそうですし、ちょっとマニアックな話にもなってしまいます。
ちょっとつまらなくなってしまうような気もしますが、あくまで現在主流のガスコンロのみに焦点をあてて書くことにします。
まずはコンロの歴史などの話を最初に書きますが、コンロに限ったことではありませんが登山道具は歴史が深く、調べて書き始めると非常に長くなってしまいます。
ここでは概要だけをざっと書いておきます。
最初に液体コンロを開発したのはスゥエーデンのプリムス社で、1800年代後半のことだったそうです。
それまで石炭などの燃料が主流だったそうですが、それに代わりケロシンを燃料としたコンロは画期的だったそうです。
その後、同じスゥエーデンからオプティマス社、スベア社がケロシンコンロを開発したということです。
1900年代に入るとプリムス社の技術職員がラジウス社を設立し、技術を結集したコンロを発表したということです。
またこのころオーストリアからホエーブス社がガソリンコンロを開発し、さらにドイツからエンダース社などが民生用と軍事用に開発されたコンロを発売、1950年代にはアメリカからコールマン社がガソリンコンロを発表したということです。
しかし1900年代の半ばにプリムス社はガスコンロに力を入れるということで液体燃料部門をオプティマス社に譲渡し、さらにスベア社やラジウス社もオプティマス社に吸収合併されたということでした。
ちなみに日本国内ではホープ社がまだラジウス社がオプティマス社に買収される直前の1956年にコンロのコピーの権利を買い、その後に発表したマナスルというケロシンコンロなどはとても格好の良いコンロだと思います。
マナスルは現在でも極稀にではありますが現行品が市場に出回っているようです。
たまにアマゾンあたりで見かけますが瞬時のうちに完売状態になるようです。
1900年代後半になると液体燃料は一部の愛好家を除いてほとんど使われているところを見ることはなくなりました。
主流はガスコンロへと移り1985年にはプリムス社が岩谷産業と合併し、社名をイワタニプリムスと改名し、プリムス2243といったベストセラーコンロを発表しました。
イワタニプリムスは1996年に再びガソリンコンロも手掛けるようになり、多くのガスコンロやガソリンコンロを開発発売して、事業を拡大しながら現在に至っています。
また後発ながらもイワタニプリムスに対抗するようにイギリスのEPIGAS社が日本での生産を始め、斬新なガスコンロを発表し、それらを追従するように新潟県三条市からスノーピークやキャプテンスタッグなどが、また新富士バーナー、あるいはキャンピングガスを吸収したコールマンジャパンなどのメーカーがそれぞれさまざまな高性能なガスコンロを発売し、今日に至っています。
また低温に強く火力が強力なガソリンコンロも少しずつではありますが徐々に復活の兆しがみられるようになってきております。
ガソリンコンロの現行品としてはイワタニプリムス、EPI、MSR、オプティマス、コールマンなどが発売しております。
燃料別に分類しますと
種類としては先にも述べたガスコンロ、ガソリンコンロ、ケロシンコンロのほかにアルコールコンロや固体燃料コンロなどがあります。
それぞれの特徴として、まず固体燃料に関しては登山用というよりキャンプ用と考え割愛させてもらいます。
アルコールコンロ
非常に軽量コンパクトで、それはガスコンロを凌ぐほどであろうかと思われます。
容器にアルコールを入れて火を着けるだけと言った非常に簡単な構造をしているので故障もほとんどありません。
またアルコールは引火点が高いので安全であり、寒さにも強い燃料だということです。
しかし単純な造りが故に火力調節ができず、さらに火力が弱く、燃費も悪いのでお湯を沸かすのに他のコンロに比べて多くの燃料を持ち上らなければならないといった欠点があり、日帰りの非常用程度にしか使えないような気がします。
ケロシンコンロ
これはいわゆる灯油なのでアルコールと同様に引火点が高く爆発などの心配が無く安全なコンロです。
低温時にも強くて火力も非常に強いなどの長所が挙げられますが、本体が大きくて重くなり、また引火点が高いので着火するのにプレヒートなどの手間がかかり、さらにバーナーが暖まり火力が安定するまで時間がかかりポンピングなどの作業が必要となります。
それに揮発性が低いからなのかザックの中がどうも灯油臭くなって仕方がありません。
ガソリンコンロ
ケロシンコンロほどではありませんが本体は大きくて重いものがほとんどです。
しかしオプティマス8Rやプリムス71L、BABYエンダースのような単独者用に作られた小型の物もあります。
ガソリンは引火点が低いので危険であり、使い方を間違えてコンロが炎上したり、爆発するというような事故も起こっているようです。
それにほとんどのものがプレヒートやポンピング作業を必要としており、火力調整も一応できますが、あやまって火を消してしまったりでなかなかうまくできません。
ただ低温化に強く火力も非常に強力なので、そんなことからコンロの扱いに慣れている人は普段はガスコンロを使っているが冬期にはガソリンコンロを使うという方も結構おられるようです。
ガスコンロ
軽量小型で点火も点火装置付であれば楽々ですし火力調整も自由自在でどれをとっても非常に使い勝手の良いことばかりです。
ただひとつだけ低温に弱いという欠点があります。
ボンベにネオプレーン製のカバーをつけたりコンロの熱をボンベに伝えるブースターを取り付けるなど欠点を補うオプションアイテムもありますが、どうしても冬場は火力が落ちてしまいます。
ただし私は厳冬期の飯豊ではいつもガスコンロを持って行きます。
小型軽量という理由はもちろんですが、やはりあの厳しい極限状況でも非常に使い勝手が良くトラブルもほとんどないということで安心して持って行っております。
厳冬期に屋外での使用となれば性能はガタ落ちになり、もしかすると使えないくらいになるかもしれませんが、テントの中ではオプションアイテムを使いながらも安定した火力を十分に保つことができております。
タイプも多様化してきているようで通常タイプとしてボンベ直結型、他にコンロとボンベをホースで繋いで使うセパレート型、ボンベとコンロとコッヘルを一体化させたタイプものなどがあります。
セパレート型の大きなメリットとしてはコンロが床に置けるのでコッヘルの位置が低くなり安定するということです。
しかし場所をとるので狭いテントの中では扱いにくいうえボンベを動かすとホースが動いたり回転したりしてコンロ側が転倒したりして結構使いにくいものだと感じております。
また直結型と違ってホースというワンクッションがあるのでどうしても火力はその分落ちてしまいます。また作りも大型になりがちで重量的にもかさばってしまいます。
ボンベコンロコッヘル一体型はそれぞれをぴったり密着状態で燃焼させることにより余分な熱を逃がさず、さらに密着していることでボンベにも熱が伝わり熱効率をさらに良くするといった構造のものです。
このタイプの物はモンベルからJETBOILという商品名で発売されているほか、イワタニプリムスやEPIGASからも同タイプのコンロが発売されております。
私はこの一体型コンロを使ったことが無いので詳しいことは分かりませんが、おそらく特徴としては軽量ということと、ただお湯を沸かすのが早いというだけであり、それ以外の長所がどうも見当たりません。
とにかく高価なうえ、他のコンロやコッヘル、他のカートリッジが使えないなど潰しがきかず、というより使えるのでしょうけれど一体型ユニットとして使うことを前提としていて、さらに燃料が少量化されているようなので例えば他のコッヘルやフライパンなどを使おうとすると非常に使いにくくなり、燃料切れのことも考えて装備を検討しなければならなくなると思います。
そのおかげで調理がしにくくなり、結局のところお湯を沸かしてカップラーメンを食べる程度のことしかできなくなるとは言いませんが、せいぜいラーメンなどを煮る程度がせきのやまのように思えますがどうでしょう、少なくともいろいろな物を楽しく調理することはできにくい代物であろうかと思います。
ただなにしろ使ったことがないので誤解していたら使っている人には申し訳ないのですが、いくら軽量化が進んだとはいえ登山道具もここまでくれば世も末だなと感じてしまいます。
あまりにも道具を簡素化すると山の楽しみも簡素化されるような気がして、そこまでして道具は使わなくてもいいと感じてしまい、私としては嫌いな道具のひとつであります。
ただ事実、山で使っている人を結構目にするわけですから人気商品であり、使っている人にとっては良い山道具なのかもしれません。価値観は人それぞれですから使って良いと思っておられる方々には謝っておきます、これはあくまで私個人的な考えとしての話です。
前例としてセパレート型が一時流行ったことがありました、しかし今ではセパレート型を山で使っている人を見ることはまずほとんどありません。
この一体型も確かに見かけは最先端の登山道具のような感じで格好良く見えますが、もしかすると単なる流行の一端程度の道具となるのかもしれません、なんかそんな気がします。
次にガスコンロについてメーカー別に調べたことを書きます。
どこのメーカーのガスコンロもほとんど故障がなくメンテナンス的には非常に簡単で、その点においては一流も二流も関係ないように思います。
各メーカー別に2015年2月現在のカタログから抜粋してみました。
イワタニプリムス
登山界に革命を起こしたと言っても言い過ぎではないほどガスコンロの普及により山での調理は劇的に楽になりました。
その先駆的ガスコンロがイワタニプリムスから発表されたP2243という機種であろうと思います。
このP2243は現在でも人気の機種であり、ガスコンロが普及された当初からの大ベストセラーとなっているようです。
その後、革新的なガスコンロを発表したイワタニプリムスの主流機種はおそらくP153という機種へと移り変わっているのであろうかと思います。
私個人的にも現在市販されているガスコンロの中ではP153が最良の機種であろうと思います。
その理由として小型軽量ながら高火力を保っており、ゴトクも大きめな物が4本あるのでコッヘルが安定しやすいなどという点もあります。
イワタニプリムスから出ているガスコンロそれぞれの性能は
P2243
重量253g、火力3600kcal、¥6700円(税別) 比較的大型で吹き出し口が大きい分コッヘルが安定しやすく高火力です。しかしやや大きく重量もあるといったことから主力機種の座をP153に奪われたという感があります。しかしその性能は発売当時から変わらず非常に優れており大きなコッヘルでも安定し、火力も高火力なので特に大人数の山行の時にはP153をはるかに凌ぐ使いやすさとなっていると思います。
P153
重量116g、火力3600kcal、¥8700円(税別) 重量、大きさ、火力のバランスは素晴らしく、やや大ぶりの五徳が4本あり安定感もまずまずで、大変に優れた機種だと思います。各メーカーから発売されているすべてのガスコンロの中でも最良の機種であると思います。
P173
重量173g、火力3800キロカロリー、¥10500円(税別) P153を大ぶりにしたタイプの物でバランスの良い機種であろうと思います。ちょうど良さ感はP153にの方が一枚上手に感じます。
P115
重量56g、火力2100キロカロリー、¥7000円 自動点火装置付で56gは業界最軽量、性能は落ちますが小さくて軽いコンロです。軽量という意味では他のメーカーを突き放すようなイワタニの技術が結集されております。
P2000(セパレート型)
重量250g、火力2800キロカロリー、¥9800円
P2100(セパレート型)
重量350g、火力3000キロカロリー、¥11800円
他にボンベコンロコッヘル一体型も2機種発売されているようですが、大型の物しか無く大人数用としての機種であると思います。
あえてここでは詳しく記述しませんが、それにしてもソロ用やせめて少人数用ならまだしも大人数用なのに調理の幅が広がらないこの一体型コンロは果たしてどうなのだろうか?
EPIGAS
1900年代半ば過ぎにイギリスから日本に上陸したガスコンロ会社です。
20年くらい前までは一流のプリムス、二流のEPIといったイメージでした。
ところがプリムスに対抗するかのごとく次から次へと素晴らしいガスコンロを世に送り出し、今ではイワタニプリムスを脅かすどころかもしかするとプリムス以上に優れたコンロを発表しています。
QUO
重量98g、火力2300kcl~2600kcl、¥6000円(税別) EPIGAS社の最新機種で、現在流行の軽量化を重視したものとなっているようです、軽量化されている分性能はもちろん落ちます。
五徳は小さいものが4本ついておりますが、やはりどこか貧相な感じがして安定感としてはいまいちのように思えます。
REVO
重量111g、火力3700kcal~4200kcal、¥9500円(税別) プリムスのP153に対抗して売り出された機種であろうと思われます。スペックはどれも数字上ではP153を少し上回るようになっております。確かに素晴らしい機種で現行ガスコンロでは一番良いのではないかと思いますが、なんだかプリムスの真似をしているようなところが個人的には少々気に入りません・・・。
NEO
重量185g、火力4000kcal~4500kcal、¥8500円(税別) これまたプリムスP173のパクリと言ってもいいような機種です。
BPS‐Ⅲ
重量170g、火力3200kcal~3700kcal、¥6800円(税別) EPI社から古くから発売されている機種です。やや小ぶりな五徳4本仕様です。オリジナリティがあり個人的には好きです。
この他にセパレート型が2種類出ておりますが価格は1万円を超え、重く大きく性能もそれほど良いものではありません、しかし安定感は抜群なので大きいコッヘルが使用できることから大人数で使用する場合には重宝するのではないでしょうか。
スノーピーク
ガスコンロ二大メーカーであるプリムスやEPIに比べたらどうしても目減りしてしまいます。
どちらかというと性能よりも名前で購入されている感は否めません、高級志向のスノーピークブランドを使っているのを見ると確かに格好良く見えるときがあります。
ただ調べれば調べるほど正直なところ性能としてはあまり勧められたものではありませんが・・・。
その代り高級ブランドのスノーピークの中においてコンロに関しては比較的安価となっております。
ギガパワー
重量88gと105g(自動点火装置付か無しによる)、火力2500kcal、¥4900円と¥5900円(税別) 小型軽量 五徳4本
ギガパワーマイクロ
重量は自動点火装置付56g自動点火装置無しが106gとなぜか装置無しの方が重くなっております。 火力は2800kcal、装置付¥6900円装置無し¥5900円 イワタニプリムスのP115と同等の大変に小型で軽量なコンロで、このコンロに関してはとても素晴らしい物だと思います、しかもP115より安価です。
この他にセパレート型の物が1機種とやや大型タイプのヤエンシリーズという物が2機種出ております。
キャプテンスタッグ
登山用品というよりどちらかと言うとキャンプ用品といったイメージがあります。
コンロは2種類発売されていて、性能的にはまあそれなりなのですが、故障などもほとんどなく決して山で使えないことはないと思います。それに定価は高いのですが実際のところ値引きされ非常に安価で売られており、そんな意味では手に取りやすいと感じているメーカーです。
マイクロガスバーナーコンロ
重量175g、火力2400kcal、¥8500円(税別) 小さめコンロで五徳は4本
オーリック小型ガスバーナー
重量300g、火力2700kcal、コッヘルとセットで¥11700円 プリムスの大ベストセラーP2243と著しく類似しており性能も同等。コンロ単体でも非常に安く売られているのを見かけます。このコンロで妥協しても十分に使えると思います。
その他に新富士バーナーやコールマンジャパンからガスコンロが発売され、モンベル社からはJETBOLEというボンベコンロコッヘル一体型が売り出され、少しずつシェアを広げているようです。
新富士バーナーはSOTOという名前でよくアルペンあたりの商品棚に陳列されているのを目にします。
種類は意外と豊富で5種類もあるようです。
最近の流行である小型軽量のコンロを主に出していて、五徳の本数がオプションで3本か4本を選べるものがあったりします。
また特にカセットコンロに使われる縦長のガスボンベにセットするタイプの物も2機種あり、大変に個性的なメーカであると思います
昔はすごく安価だったのに近年は売れているのか結構高く販売しております。
ただどうしてもプリムスやEPIなどと比較するとワンランクもツ―ランクも下という感じは否めません、といっても山で使う分には十分ですけどね・・・。
アメリカのコールマンはキャンピングガスを合併吸収しコールマンジャパンとして日本にキャンプ用品を売り出しております。
ガスコンロについては3機種出ていて、アメリカのメーカーらしくどれもやや大型で性能も少し落ちますが、なにしろ安いという理由で良いのではないかと思います。特にパルテノンストーブという機種は丸い五徳になっていてコッヘルを置いた時の安定感は随一ではないかと思われます。
JETBOILは大きさが小型と大型の2種類があり材質はそれぞれアルミ製とチタン製が発売されております。
小型のSOLが370g ¥15800円、SOLチタンが340g ¥19800円、大型のSUMOが490g ¥16000円、チタンSUMOが446g ¥22000円それぞれ税別となっております。
熱効率を良くし軽量化に成功した一体型コンロですが、軽量ではあるものの熱伝導率の悪いチタンを材質に使っている商品まであるあたり、あまりにもちぐはぐすぎます。いったいどこまで軽量化をすれば気が済むのだろうか、つくづく登山道具は末期にきていると感じずにはいられません。
最後にガスボンベについても調べたことを記述しておきます。
ガスボンベはコンロを作っているそれぞれのメーカーから発売されております。
どこのメーカーのコンロにも安全の都合上、他社のボンベは使わないようなことが但し書きされておりますが、すべて整合性があり組み合わせても大丈夫なようです。
コンロとボンベの接合部の形状は確か日本工業規格で統一されていると思いました。
ガスといってもいろんな種類があるようで気化しやすいもの、気化しにくいもの数種類を配合させて作っているそうです。
登山用ボンベは気化しにくい比較的安全なブタンガスを通常は使うのだそうですが、そこに気化しやすいプロパンガスを調合することにより寒冷地用やパワータイプといったタイプに分類するのだそうです。
イワタニプリムス
一般用500g ¥750円、250g ¥450円、110g ¥420円
寒冷地用500g ¥900円、250g ¥600円、110g
EPIGAS
一般用470g ¥790円、230g ¥490円
寒冷地用470g ¥940円、230g ¥650円、110g ¥450円
ハイパワータイプ190g ¥690円
スノーピーク
一般用250g ¥400円、110g ¥320円
寒冷地用250g ¥520円、110g ¥400円
キャプテンスタッグ
一般用500g ¥1040円、250g ¥800円、150g ¥780円
寒冷地用500g ¥1750円、250g ¥1000円
なぜかここのガスはすごく高い。
新富士バーナ―(SOTO)
寒冷地用250g ¥600円、105g ¥560円
コールマンジャパンについては分かりませんでした。
JETBOIL
寒冷地用450g ¥950円、230g ¥600円、100g ¥460円
価格はそれぞれすべて税抜だそうです。
なぜかキャプテンスタッグのボンベが異常に高く、コールマンジャパンのガスボンベはカタログに不記載でした。
それにしても前述したように私は山ではあまり食べる必要がないので日帰り程度の山行ではコンロを出すのが面倒だからと言う理由で使わないことがほとんどです。
それなのに古いコンロ類を修理して、そしてピカピカに磨いて喜んでいるなんて我ながら馬鹿だなあなんて思います。
古いコンロのパーツはなかなか手に入らず、それぞれの部品は非常に高価になっているのに・・・。
山の楽しみ方は多種多様、それに人間生きていくには無駄がどうしても必要です。
冬期、山に登れない時はこんな楽しみ方があってもいいのではないかと思います。
これでコンロの話はすべて終わりました。
最後にまた真冬の飯豊関連の話に戻ります。
3年前、正月の飯豊に単独登頂したとき、巷では随分と話題になっていたようで、当時の私は知らず知らずのうちに有頂天になっていたように思います。
そして少なからずとも自分の心の中にはおごりがありました。
今となってはとても恥ずかしく思っております。
そこで今回はあまり騒がないようにしておとなしくしているつもりだったのですが、やはり自分のホームページにはこの時の山行記録を掲載しておきたかったし、さらにはまた2月14日発売の岳人3月号にも掲載されるなどの摘発があり、それによってまたしてもこのことが明るみに出てしまい世間に漏洩される運びとなってしまいました。
確かに名誉なことであり嬉しくもあるわけですが、やはり恥ずかしい。
またうぬぼれとかおごりとかと人に捉えられるような事態を招いてしまいました。
冬に北俣岳になど登頂してしまうとその後が大変で本当に困ったものです、まったく失敗してしまいました。
だからもう一人でなんか北俣などには行きませんしもし他の山へ行ったとしてもこれに懲りて次からは何とか登頂しないように気を付けなければならなりません。
今はほとぼりがさめるまで日々反省しながら、しばらくの間は世間から逃れるようにひっそりとおとなしく暮らしていかなければならないと思っているところでございます。
とにかく西俣尾根からのルートは制覇しました、やっとこれで次に進むことができるようになりました
おそらく次は大朝日岳に向かうことになると思います。
ここは経験がないということと、飯豊以上に入山者が少なくデーターがまったくといっていいほどありません、また一からのスタートとなります。
一生懸命に頑張って何とか登頂しないことを心がけていくつもりです。