朝日連峰の紅葉
飯豊の紅葉
朝日連峰の紅葉
飯豊の紅葉
紅葉の飯豊と朝日は日帰りで
10月8日 朝日連峰 日暮沢~竜門山~以東岳
10月14日 飯豊連峰 御幣松尾根~大日岳~飯豊本山
朝日連峰の狐穴小屋管理人のあだっつぁんとしょーこちゃんから「10月7日~8日は芋煮会をするので来てちょうだい」と前々からお誘いを受けていた。
10月上旬の連休はちょうど紅葉の最盛期と重なることもあって、紅葉の綺麗な朝日連峰には誘われなくても行くつもりでおりました。
しかしどうしたことか今年は仕事が非常に忙しくて休日も勤務している日々が続いております。
仕事があるということはとても良いことであり、仕事ができるからこそ山にも行くことができるものだと思っております。
紅葉なんて二の次で構わない、まずは仕事が最優先です!…なーんてそんな訳ありません。
でも確かに不景気は困ります、要するに早い話が会社の他の人たちが忙しくて私一人だけ暇であればそれがベストな状態であろうと常に思っているところであり、私の業務目標でもあります。
しかし業務目標とは程遠い状況が続いており、残念ながら10月はあまり休めそうもありません。そこで仕方がないから飯豊と朝日の紅葉は何とか休みをとって日帰りで行ってくることになりました。
しかし飯豊と朝日は泊まりで行くとゆっくりできていいのですが日帰りともなれば厳しい山行となってしまいます。
先月は女性の友達と楽しい山行が続きました。その反動からなのか10月に入るとたて続けに体力的に厳しい登山をしてしまい、お陰様で軟硬メリハリのある充実した山登りをすることができました。
第一話 10月8日朝日連峰
冒頭でも書いたように、本来10月7日~8日は芋煮会に参加するつもりでおりましたがキャンセルをし、悔しい思いで仕事を適当にこなしておりました。
天気予報を見ると8日は晴天となっている、どうしても山に行きたい私は7日の夕方「明日は天気が良いからやっぱ休むわ」と言って8日は朝日連峰に向かいました。
ルートはいろいろ考えましたが、せっかくならあだっつぁんやしょーこちゃんに一目会いたいと思い、日暮沢から登ることにしました。
朝6時、日暮沢小屋前で出発の準備をしていると数人のトレイルランの人たちが先に出発していかれました。
今日の私は日帰り装備でザックは25リッター。70リッターとか80リッターのザックを背負っているときにトレイルランの人を見ると無性に追い越したくなりますが、今日はザックが小さいので我慢することにしました。
日暮沢登山口から行先は決めておりません、登りながら以東岳方面でも行ってみようと決めました。
「天気が良く、紅葉も綺麗だしできるだけ遠くへ行きたいものだ」そう考えると足取りも軽やかにすいすいと進んでしまいます。
するとどうでしょう、いつのまにか前方にはトレイルランの方が見えているではありませんか。
25リッターのザックでは追い越したくないのですが仕方がない、ここは道をゆずってもらうこととなりました。
それにしても皆さんそうですがトレイルランのランとは名ばかりでウォークしております、それならもっとせっかくの景色を眺めながら楽しくゆっくり登ったらいいのに、登山ブームで山が整備され入山しやすくなり、登山道具も改良され、山を訪れる人たちも多様化してきているようですね。
もっともウォークの件については、登山道を走るのは転倒とかの危険があるのであまり良いことではないのでしょうし、それからそう言う私だって登山道を走ることはありますがそれは日没に間に合うようにと、日暮前に何とか下山したいという理由から走るのであり好き好んで走っているのではありません、普段はゆっくり景色を楽しみながら山を登っている次第ですがね…。
そして竜門山に着く頃には素晴らしい紅葉が目の前に広がり、雨上がりの澄み切った空気にどこまでも視界が開けます。
赤や黄色の絨毯を敷きつめた山肌は朝日連峰ならでは、他の山々にこの鮮やかな景色は見ることができず、あの飯豊でさえここまでの美しさはありません。
朝日の紅葉は日本一紅葉の名所と言われている栗駒山と比較してみたいものです。
山の紅葉は短く、少しでも日がずれると葉が散ってしまい冬枯れになります、タイミングよく滅多に見ることのできないこの最高の紅葉の中を以東岳方向に向かって歩きました。
そして色彩豊かな寒江山付近であだっつぁんとしょーこちゃんとすれ違いました。とにかく会うことができて良かった、私は下越山岳会の会員ですが、私が狐穴小屋に訪れた時には西川山岳会のあだっつぁんやしょーこちゃんは私を西川山岳会の会員以上にもてなしてくれる。
今日も「竜門小屋に俺のビール冷やしておくから、帰りに飲んで行ってケロ」とカエルのような山形弁の口調で私の朝日連峰登山を歓迎してくれました。
さて、一目会うという目的を果たし、狐穴小屋を通過して「さてどこまで行こうか」と考えながらとぼとぼと進んでいるともうすぐ以東岳というところまでやってきた。どうせここまで来たなら以東岳山頂まで行ってひき返すことにしました。
帰りは相模山があまりにも綺麗だったので、そちらの方へちょっと寄り道しましたが、さすがに疲労も激しくなってきたので相模山山頂まで行かず、途中で戻り、大朝日岳に周るか迷いましたが、生真面目私は明日の仕事を考えると疲れを残したくなかったので素直に竜門山から日暮沢へと下山してまいりました。
コースタイム
日暮沢登山口 1時間20分 清太岩山 1時間 竜門小屋 1時間30分 狐穴小屋 1時間30分 以東岳 1時間25分 狐穴小屋 ここからは相模山方面へにょろにょろ寄り道したりして分からなくなってしまいました。
第二話 10月14日飯豊連峰
いつも仕事をさせて頂いている県庁の職員の方々から連絡があり「10月13日~14日は一泊で飯豊のエブリ差岳に行きたいので連れて行ってほしい」と山の誘いを受けておりました。
しかし前述したように仕事が忙しく13日、14日は休めそうもありません。
丁重にお断りをし、天気の良い13日は悔しい思いで適当に仕事をこなしておりました。
そして翌14日も晴天の予報なので「明日は天気が良いからやっぱ休むわ」と言って14日の朝は阿賀町の実川林道へと車を走らせました。
この日、実は御西小屋の窓ガラスを雪が降る前にコーキングしなければならない作業があったということと、大日山頂標柱を見たいと思って急きょ向かうことにしました。
実はこの山行について9月の終わり頃に「御幣松尾根に行きますが、行きたい人居られましたら行きましょう」と下越山岳会の皆さんにメールを差し上げておりました。
そのメールに一言「本気で歩きます」と付け加えることによって参加者は誰もいなくなると予測しておりました。
なかなか滅多に行けない大日岳直登の御幣松尾根、本来は「楽しく行きましょう」とでも書けばいいのでしょうけれど、万が一参加者が大勢になってしまったら行程に時間がかかり、御西小屋の作業にも影響がでてしまうと困るのでそのように書いてしまいました。
その時は新井田さんから参加意向の連絡を受けていたものの、やはり不安だったのか直前で腰具合不良を伝えられ、折しも台風ラッシュということもあり、その時は中止となりました。
それから「本気で歩きます」と書いたものの、私は足の裏の魚の目が痛くて早く歩くことができないでおります故、今後は心配せずに安心して来て頂けたら幸いに思います。
そこで一度中止になった御幣松尾根でしたが、県庁の方々との言わば接待登山が中止になったお蔭で再び陽の目を見ることになりました。
それにしても御幣松尾根は久しぶりです、あの長い実川林道があることにより飯豊のルートの中では最も敬遠されているところなのではないかと思われます。
私自身もこのルートはまだ4回目くらいだったかと思います。
登山口付近の湯の島小屋はよく注意しないと見落としてしまう場所に建てられており、登山口も看板や目印が無いので初めての人は分からないのではないかと思います。
久しぶりに訪れるので地図を良く見て進みましたが、まさかその地図読みが仇になるとは思いもよりませんでした。
看板の無い登山口は無事に見つけることができました、次に少し歩くと橋を渡ります、まずはその橋を目指して歩きました。
地図をよく確認しながら左の尾根の道を進みます、地図上の登山道と間違いはなく踏み跡も明快です、ただ橋が一向に出てきません。
尾根は急な登りとなり雰囲気的には変ですが、地図の登山道とはぴったりと合っています。
しばらく進みましたがやはりおかしいので引き返してみると、分かりにくいところから登山道が分岐しており、そのもう一方の道を行ってみるとほどなく橋が見えました。
やはり地図が間違っていたようです、2万5千分の1地形図は時々間違いがありこの御幣松登山道にはたまたまそれがあったようです。
運の悪いことに、道を間違えないようにと一生懸命に地図を確認したことがかえって仇となってしまいました。ちなみに飯豊界隈ですと梶川尾根にも地図の間違いがあります。
ただ今回間違って入り込んだ尾根にはキノコが多く出ており、時間と体力のロスは残念でしたがキノコはたくさん採れました。
道間違いを挽回しようと必死で急尾根を登り、すぐに月心清水に着きました。
相変わらず続く急な尾根をしばらく我慢して登りきると急に視界が開け一服平というところにでます。
目の前に櫛ヶ峰が見え、赤や黄色で埋め尽くされております。
ここでようやく休憩をとり、この先延々と続く急な登りに備えました。
左側には種蒔山と切合小屋が見え始めるころ、櫛ヶ峰の分岐である早川のつきあげにつきます、ここからは目の前に大きく大日岳が見えるようになりその手前の牛首山にかけて大変に素晴らしい紅葉を眺めながら歩くようになります。登山道は暫し岩稜帯となり歩きにくく、さらにアップダウンを繰り返しながら最後の急坂を登りきると一気に飯豊の最高峰である大日岳山頂に出ます。
地面は雪が積もっていて薄らと白くなっていて短い秋の儚さを思わせます。
標柱の無事を確認してまずは御西小屋まで一目散、誰もいない御西小屋に着くとすぐに作業を始めます、夏に便所の窓ガラスを交換し、その漏水を防ぐためのコーキング作業でしたが僅か15分ほどで終わり、管理人の羽田さんがいないので鍵が開けられず便所の中まではコーキングすることができませんでした。
しかし冬を越えるにはこれで十分、もう安心です。
私自身、仕事で3年前にこの御西小屋の窓ガラスを全面交換したことがありました、その時の延長というつもりで便所の窓ガラスを今回は無償で交換作業をしております。
行政に話をしても作業費が出ることなど期待できず、ただ私は好きだからこうやってボランティアで修理等をさせていただいており、今回に限らず無償で修理作業をすることは多々あります。しかし本来こんなことは人に話すべきではなく、ここで書くということは人に褒めてもらいたかったり自慢しているように思え、とてもみっともないことだと思います。
ただ立地条件の厳しい山小屋では修理に訪れることもままならず、自分一人でこのようなことをやっていても限界があり、僅かなことしかできず、ほとんどのことができないということを言いたくて今回は書きました。
思いのほか作業が早く終わり呪縛から解けたような気分になった私は、時間の許す限り飯豊を楽しむことに方針を転換することにしました。
秋晴れの中にも冷たく吹付ける風に儚く過ぎ行く秋の景色とこれから訪れる冬の気配を感じながら、晩秋の飯豊をとぼとぼと本山まで歩き、そして再び大日岳へ。
さっきは新設された標柱の前を足早に通過したので、帰りはじっくりと山頂に居ようではないかと心に決めていました。
しかし体はいい加減相当疲労しきっており、バテてしまったようで最後の大日岳の登りでは吐き気をもよおしながらヘロヘロになってようやく標柱まで辿り着きました。
大日岳山頂に立ち「今年はこれが最後かな」なんて思いながら寒さのため長くとどまることができず早々に大日岳をあとにしました。
私は体のバランスが悪いのでいつも下りはスキップをしながら歩きます、しかし今回はあまりにも疲れており、ゆっくりと急な御幣松尾根を無事に下りきりました。
コースタイム
登山口 58分 月心清水 42分 一服平 27分 早川のつきあげ 27分 牛首山 42分 大日岳 55分 御西小屋 45分 飯豊本山 40分 御西小屋 50分 大日岳 43分 牛首山 17分 早川のつきあげ 20分 一服平 28分 月心清水 35分 登山口